AI導入に補助金は使えるか——中小企業が押さえる3つの制度と申請前の注意
AI導入の費用は補助金で圧縮できる場合があります。IT導入補助金・小規模事業者持続化補助金・ものづくり補助金の使い分けと、「補助金ありき」で失敗しないための順番を解説します。
「AI導入に補助金は使えますか」。答えは「案件によっては使えます。ただし、補助金から入ると失敗します」です。この記事では、中小企業のAI・デジタル化投資で候補になる制度の全体像と、申請前に必ずやるべきことを説明します。
候補になる3つの制度
制度は毎年度内容が変わるため、ここでは「型」だけ覚えてください。
IT導入補助金
ITツール・ソフトウェアの導入費用を補助する制度です。登録されたITツールを、登録された支援事業者経由で導入する形が基本で、業務システムやSaaSの導入と相性が良い制度です。
小規模事業者持続化補助金
従業員数の少ない小規模事業者向けで、販路開拓を中心とした幅広い取り組みに使えます。ホームページやネット予約の整備など、集客まわりのデジタル化と組み合わせやすいのが特徴です。
ものづくり補助金(製品・サービス高度化)
設備投資を伴う比較的大きな取り組み向けです。AIを組み込んだ業務の抜本改善や新サービス開発など、投資規模が大きい場合の選択肢になります。
公募期間・補助率・対象経費は毎年変わります。申請を検討する時点で、必ず各制度の公式サイトで最新の公募要領を確認してください。
「補助金ありき」が失敗する理由
補助金から入ると、「補助対象になる投資」を探し始めます。これはツール先行の失敗と同じ構造です。使わないシステムを補助金で安く買っても、使わないことに変わりはありません。
正しい順番は逆です。
- まず業務を測り、削る作業を特定する(業務の因数分解の記事参照)
- その解決に必要な投資を設計する
- その投資が補助対象に乗るなら、申請する
補助金は「やると決めたことを安くする道具」であって、「やることを決める理由」ではありません。
申請前に押さえる実務上の注意
- 交付決定前の発注は原則対象外です。契約・発注のタイミングは制度のルールに合わせて設計します。
- 採択までの期間(数ヶ月かかる場合があります)を業務計画に織り込みます。すぐ始めたい小さな改善は補助金を待たず自費で、投資の大きい部分だけ補助金で、という分け方が現実的です。
- 事業計画書の数字は、導入効果を金額で書けると通りやすくなります。業務を測ってあれば、この数字はそのまま使えます。
まとめ
補助金は使えるときは強力ですが、主役は業務改善そのものです。当社では、診断で削減対象と効果額を先に出し、そのうえで使える制度があれば申請前提の設計をご提案しています。
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